先月は、大学の後期課程の学生の成績評価をつけるのにあれこれ悩みながらの1ケ月であった。当初定めた大学のシラバスという私の授業計画書では、①出席率25%、②レポート25%、③授業での参画度25%、④プレゼン発表25%という構成で成績をつけることにしている。
授業の構成がグループワークに基本を置いているので、③の「授業での参画度」を組み込んでいる。どのようにグループワークに積極的に関わったのか、まとめ上げる時に傍観者にならずに協力的なスタンスを維持し続けることができたか、結果を急ぐあまりに乱暴なまとめ方をしていなかったか――といった観点で観察してきた。民間企業の人事評価でいうところの「プロセスの評価」である。そうなると、①の出席率は出勤率、②のレポートや④のプレゼンテーションは実績・成果に該当するのであろう。
先日、大学の後輩と久しぶりに会った。伝統ある日本の製造業で人事部長になったばかりだという。話を聞くと、彼の会社ではいまも人事考課を続けているという。専門的な話になるのだが、「人事考課」とは、能力、業績、勤務態度・意欲を客観的に数値化したものである。そのデータは、昇給や賞与査定、昇進・昇格に反映される。人を評価する仕組みが二階建てになっているわけだ。昨今の人事の流れは、「人事考課」を廃し、MBO(Management By Objectives=目標管理)に基づく成果重視の評価や、「役割評価」によって職責を細かく定義し市場価格と整合させる、いわゆる「職務」をベースにしたやり方が一般的になりつつあると思っていた。だからこそ、「態度」や「意欲」といった全人格的な側面にも目を向け、粘り強く運用を続けている会社があることに、私は新鮮な感銘を受けた。
企業のブランドは、最終的には「私」を超えて、「組織という公(おおやけ)」のために、上司が見ていないところでも職業倫理に基づき勤勉に働く、良質な人の集団が存在するかどうかで決まる。小売りの現場においても、良質なお客様は、かならず販売員の心根の透明性を見抜くものだ。そうした“たたずまい”のある組織の実現に真剣に向き合っている人事の方との対話に、私自身、勇気づけられた。
組織が「働く人」を評価する意味を、改めて考えてみたい。公平に評価し、適正に賃金を配分することが基本であるのは言うまでもない。だが別の側面として、評価は、組織が人に深い関心を寄せ、「働く人」を勇気づけ、仕事へのモチベーションを促し、前を向いてもらうように支援する――その意思を伝える貴重な場でもある。
成績評価は順調に進み、締切より前倒しで成績の登録を完了できた。大学の授業評価は一方通行になりがちで、なぜこの評価に至ったのか、個々へ十分なフィードバックをする機会が少ない。その点では私にもやり残し感があるのだが、前倒しで登録を終えられた分、講義内での講評や全体コメントの質を上げる余白を確保できたとも感じる。
今日一日が良い一日となりますように、悲しみと困難、不安に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって豊かな一週間でありますように。
2026年2月13日
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