目白からの便り

アンの言葉 曲がりかどの向こうには希望がある

『私の未来はまっすぐな一本道のように目の前に伸びていたの。人生の節目、節目となるような出来事も道に沿って一里塚のように見渡せたわ。でも、今曲がり角に来たのよ。曲がった向こうに何があるか分からないけどきっと素晴らしい世界があるって信じているわ。』Anneの言葉(赤毛のアンから)

原作:ルーシー・モード・モンゴメリ(Lucy Maud Montgomery、1874.11.30 – 1942.4.24)

 

30歳代後半、入院していた高輪の病院で、時間を持て余していた時に、読み続けた書籍の中に、普段読まないものをと考え、妻に勧められ、読んだのが赤毛のアンだった。先日の言葉は、鮮明に記憶されている。主人公アンのどのような逆境の中でも、弱音を吐かず、前を向きに生きるエネルギー、想像力豊かな姿勢に励まされる。絶望の中で、可能性を探し出す。逆境の中で、前向きな言葉を探し出し、自分に言い聞かせながら発信する。そこから、機会の芽が育つのだと思う。

 

さまざまなチャレンジを受けながらも 環境変化を肯定的に取り込み、可能性がある選択肢を取り続けることを実践することは、深い困難を伴うだろう、精神的にも乗り越えなければならないことも多くあるのだと思う。困難に直面し、何かを失うことは、 また新しい何かを受け入れる準備ができるということでもある。 そう考えると気持ちも前向きになれる。新しく支えてくれる人が現れるものである。そうした繰り返しの中で経験と可能性が積み重なって自身の内面に蓄えられ、次の機会の備えとなる。

 

両手足に障害を持って生まれ、その後、母親の送り迎えで健常児と同じ、小中高校に通い 神戸大学薬学部卒業後、地元のドラッグストアに勤めながら、「柳岡塾」を開設し、障害者卓球の選手として、世界大会で好成績を残した柳岡克子さんは、講演で、「天の銀行に貯金をしよう」と話される。そして、「人に親切にする。いつも笑顔で優しい言葉を使う。仕事や勉強に努め自分がして欲しいと思うことを人にさせてもらう。目上の人を尊ぶ、家族や周りの人と仲良くする。人の良いところを見つけて悪口を言わない。時間や約束を守って嘘をつかない。無駄遣いをしない。」と続く。

 

人の支えの存在を、素直に感じて、素直に感謝することが大切なのだ。曲がり角には福来たる。台風が直撃しそうな週末である。台風一過、その先の爽やかな秋晴れが待ち遠しい。いや、きっとくるにきまっている。

 

今日一日が良い一日となりますように、悲しみと困難、不安に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって豊かな一週間でありますように。

 

2023年9月8日  竹内上人

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