目白からの便り

次世代の人を育成すること

今週はじめ、出席した都内のロータリークラブの通常例会が、クリスマスのイベントを兼ねて行われ、普段より華やいだ雰囲気の中で行われた。今年最後の例会という節目にあたり、会長よりロータリークラブの役割やミッションの説明をいただいた。ロータリークラブの活動に興味をもっていた友人を例会にお招きしたこともあり、彼女にとっても活動や意義について学ぶ良い機会にもなった。

ロータリーの使命は、「職業人と地域社会のリーダーのネットワークを通じて、人びとに奉仕し、高潔さを奨励し、世界理解、親善、平和を推進すること」とされる。自分たちが経験し、持ちうる職業経験を踏まえて、社会や第三者の為に職業奉仕を行うということが重要な役割となることを改めて知る。長く企業人として、組織目標の枠組みの中でキャリアを積み上げてきた自分にとって、社会に対して、些細かもしれないが、自らの職業人生で得た経験を還元するという感覚を新しく身に着けた。

1905 年にシカゴで創設されたロータリーは、110年以上、さまざまな職業をもつ市民、企業や組織のリーダーが、その経験と知識を生かして社会奉仕活動や人道的活動に取り組んできている。識字率向上、平和構築、水と衛生の改善など、幅広い分野で持続可能な影響に少しでも関わることを大切にしている。

私は、昨年から所属する長野県のロータリークラブの地区の活動の中で、日本から海外に留学を試みる学生の奨学金支援の担当の役割を担う機会に恵まれている。現在複数の応募者が選考途上にあがり、来週、選考面談が行われる。「平和の推進」、「疫病との闘い」、「水と衛生」、「母子の健康」、「教育の支援」、地元経済の成長」、「環境の保護」の7つのテーマについて海外の高等教育機関で学ぼうとする学生たちの経済的な支援だけでなく、海外のロータリークラブと連携し、現地での生活面、精神面での支援の体制を整える。1951年、この奨学生制度で日本人女性として初めてアメリカに留学された人に元国連難民高等弁務官で活躍された緒方貞子(おがたさだこ)さん(2019年10月22日ご逝去)がいる。

自分の年齢ではできない、これからの社会や集団を担う次世代の人材の可能性を応援することは、どのような組織に所属する経験者にも共通して課せられた役割でもある。人材の持続的な教育、次世代のリーダーや指導者の育成は、私たちが所属する大小問わず、どのような組織形態であっても、そして、老いても、若くても、財力があろうとも、無かろうとも、「先輩」といわれる年代に属した段階で、可能な限り良質なメッセージを彼らに伝達し、励ますことは、果たすべき使命なのかと思う。

今日一日が良い一日となりますように、悲しみと困難、不安に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって豊かな一週間でありますように。

2021年12月17日  竹内上人

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