目白からの便り

入社式の思い出 新入社員諸君

都内の桜も瞬く間にそのその潔さを見せつける。私が週末暮らす松本城は梅と桜が同時に満開になり、市内の桜前線は、少し高台の城山公園に移っている。さらに1週間後はもう少し標高が高いアルプス公園に伝わり、4月末には、美ケ原高原への登山口である三城牧場から少し上った広小場にある二本の桜の木にたどり着く。毎年恒例の私の桜前線でもある。

【The Spirits of Youth】

少年であることの条件、それは純粋であること

未知なるものへの好奇心、実現に向けてのあくなき希求

私たちは開発型企業として、少年の心をビジネスの基本においています。

このフレーズは、私が大学を卒業し、企業に入ったときに最初に仕事らしい仕事をした会社案内の冒頭に掲載した文章である。

年齢を重ねていくと、好奇心のエネルギーそのものが低下する。それは、年齢を重ねても持ち続けることができるのか。

今年のサントリーの4月2日の入社式に合わせた伊集院静さんの文章は、「高く、広く、大きな夢をもて」だった。好奇心は、将来への希望や展望がその源泉になっているのかと共感する。

海の遠くの方には、何があるのだろうか、地球は球形だと学校で習ったのだから、坂道をおりるような感じで、下っていくのだろうか、反対側にたっても逆立ちするような感じはしないのだろうか、「プロ野球選手や飛行機のパイロット」という子供の時代に感じた「純粋さ」の想いを思い出しながら、何度も読み返す。

私が入社した1986年の「新入社員 諸君」の激励文は、“ゆっくりゆっくり”というものだった。その当時は山口瞳さんが執筆していた。そこには、長いサラーリーマン人生、ヒットも打つこともあるし、エラーもすることもあるが、お酒の一気飲みのようなことはせず、君たち、目の前の仕事に関心を持ち、落ち着いて、着実にやるものだ・・ということが書かれ、とても共感したことを思い出す。今でも失敗の数は限りなく、人を励ますこともできずに後悔を重ねる。あの時、こうしておけば、との自責の念に駆られる。

そうした時に、「エラーをしてもヒットも打つこともある」というフレーズは今でも心の支えになっている。大切なことは、地道な練習を怠らないことだ。そしてチームを信頼することなのだ。

仕事において転機を迎える方が多い時期でもある。私がキャリアの支援した方も新しい挑戦に向き合っている。

純粋な気持ちで、人や仕事と向き合い、「高く、広く、大きな夢」をもって、スタートしてくれればと願う。

今日一日が良い一日となりますように、特に悲しみや困難に向き合っている方に励ましがありますように。また、良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

都内にて

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