目白からの便り

就活 企業が求める特殊性を知る価値

早朝の都内はグレーの雲で覆われているが、雨はすっかり上がった様子である。外の冷気は心地よい。部屋の窓からではどのような天気になるか確定できないが、予想では、天気も徐々に回復しそうである。昨日は終日雨模様だったので、今日は陽の光も待ち遠しい。

昨日から信州大学でも留学生を対象にしたキャリアの実践講座がスタートした。信州大学は、キャンパスが学部毎複数に分かれる為、インターネット回線で複数会場を同時並行で行う。最も遅い5限目だが、日本で就職を試みる熱心な生徒が参加していた。彼らの日本での就活は難易度が高いと思うと、その期待に応えたいという気持ちが強くなる。

同じ空間にいない方を対象とするネット授業はとても学ぶことが多い。場所が異なる方とライブ感覚を持ちコミュニケーションをとることは、大学だけではなく、ビジネスにおいても一般的になりつつある。同じオフィスの中だけでなく、出張先や在宅で協業する仲間と効率的に、生産的に仕事を進める機会が増えつつある。

先日、社内のプロジェクトの進捗をテレビ会議で4ケ所を接続しておこなった。1カ所は移動中の新幹線の中というとてもタフな環境である。利便性の高いテレビ会議のシステムにも助けられる。きめ細かいな感情の変化を受け取ることが困難な状態の中で、良質なコミュニケーションを保っていくかという事は、従来にはない新しいコミュニケーション能力が必要なのだと痛感する。

大学の講義ではなぜ日本で学び、就職したいのかという動機や、どのようなキャリアプランを持っているのかについて、不安げな表情の中から一人一人率直に話を聞く。

キャリアを設計する上で大切な事は自分が何をしたいのか、どうありたいのかということを掘り下げることに加えて、留学生一人一人が日本で事業展開する企業から何を求められるのかということを想定することが大切な準備作業だと伝える。

自分自身が持つユニークな特質性を求める産業や企業を留学生側から選択をしていくという初期の段階のキャリア設計が重要である。「留学生」、「外国人」と言う一般的な概念ではなく、国籍も含めてのユニークさとの整合性がある産業や企業を予め能動的に選択することである。

個々の企業がそれぞれの事業戦略の展開において求める特殊性を調査分析し、自らが持っている属性の適合性を合理的に紐づける。求められる基本的な要件の関連性が高いかどうかをあらかじめ絞り込む戦略的なプロセスが重要である。そのストーリーを構想できれば、実際の面接の場面においてのコミュニケーションについても盤石になる。もともと求めているのだから相思相愛なのだ。大切なポイントは相手が求めている要望や期待、困りごとが何であるかということを十分に察知し、それに対する良質な対応力を兼ね備えていくということである。

来週以降の講義ではそのことをうまく生徒に伝えていきたい。彼らを心底求めている産業や企業は日本に必ずあると思う。

今日一日が良い一日となりますように、悲しみや困難に向き合っている方に励ましがありますように。また、良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

都内にて 竹内上人

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