目白からの便り

道具に対する敬意

今朝の都内は快晴。太陽の光がとてつもなく強い。ビルの窓ガラスには光の反射の勢いが「今日は晴れだぞ」と叫んでいるようである。快晴の朝は、気分も高揚する。

今、日経新聞の「私の履歴書」はバイオリニストの前橋汀子さんが執筆されてる。還暦を迎える歳に至り、高価なバイオリンを購入したとのこと。そのバイオリンがご自身のモチベーションリソースを刺激して、更に自分を鼓舞できるのだと書かれていた。

道具が自分のキャリアを刺激し励ますことは実感できる。すべての働く人にはそれぞれ使い込んだ道具を持っている。道具にこだわりをもち、丁寧に扱い、磨き上げることは、仕事に対する礼儀でもある。

そうした磨かれた道具をみて、人物は評価される。この方は信頼できる方なのか、きちんと仕事をしてくれるのか。

筆記用具からパソコン、専門的に仕事で使う検査測定機器、医療機器、工具類、社用車など、道具を使って日々の仕事を行っている。多少傷ついていても、修理し補修して丁寧に扱うとそれが重厚な年輪となり、味わいとなる。

私が入社して間もなく時計工場の紹介ビデオの撮影に工場を案内した時、カメラマンの方が、この工場は美しいリズムが流れていますねと話された言葉を今でも覚えている。

日本の精密工場の職場は、すこぶる整理整頓(3S・5S)が進んでいる。作業員の工具も丁寧に保守され、定位置に折り目正しく置かれている。だから高品質な製品を生み出し続けるであろう。私は結果ではなく、そのプロセスの良質性で、仕事の品質を管理することの大切さを学んだ。

快晴の週末、自分の使っている道具や身の回りを整理して、敬意と感謝を込めて、触れてみようと思う。きっと仕事に向き合うモチベーションが高まるはずである。

今日一日が良い一日となりますように、悲しみや困難に向き合っている方に励ましがありますように。また、良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

都内にて 竹内上人

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