目白からの便り

キャリアデザインにおける相手の目線

みなさま

今朝の都内先週に続き雪が降りつづいている。都心はそれほどの積雪ではないようなのだが、八王子などの郊外はニュースを見る限り相当な積雪である。

東北大学では新しく留学生にとって日本での雇用の機会をどのように実現すべきかの講座を秋季から取り組んでいる。彼らの前に立ちはだかる就職にあたって最初の関門であるインターンシップ、留学生にとってインターンシップをどのように対処したらいいのかはとても悩ましいところであえい、その選考過程で企業が求めるエントリーシートやSPIなどの適性検査は日本人学生と同じように課せられその対策に苦闘する。

当然のことながら選考プロセスでの記述のテクニックや、適性診断の対策はしたほうが本人たちの安心感にはつながるであろう。

だが企業人事の実務担当の目から見たときに最も知りたいのは、留学生がなぜ日本で学ぼうと思ったのか、なぜ日本企業や国内で事業展開をしている会社に自分のキャリアを委ねようと考えているのか、将来的にどのようなキャリアを思い描いているのか、日本の雇用慣行をどのように捉えて自分はどこまで折り合いがつけられて、どこは許容度を超えてしまうのか、そうした人間的な側面を知りたいのだ。短期での離職の可能性を最も危惧する。

学生が具体的な企業を選択する時のプロセスでは出来る限り合理的なプロセスで絞り込みできるように支援している。企業が抱えている現在及び将来の事業戦略の方向性と自身が持つ経験や見識学んだ領域そして自分自身の将来キャリアとの一致性をきちんとストーリーとして描きあげることができれば留学生にとっても長期的な視点でのキャリアを覚悟できる。

このことは留学生に限ったことではなく、転職を試みている経験豊富な方もご自身の希望が優先してしまい自分がチャレンジしようとする企業の置かれた環境や長期的な事業計画に関しての視点が欠落したまま一方的な押し売りのような思いで面談に挑まれるケースが多々ある。

キャリアを考えるときには自分自身の強みやビジョンも大切なのであるが相手の視点に立って考えることも同じくらい重要なのだ。

どのような経営課題に人材という経営資源に対して期待しているのかということを応募者自らが深く考え、調和できる物語を描きあげることができれば相互にとって良い組み合わせの機会となる。新しい講座では、留学生に出来る限り自分目線だけではなく、相手の企業の目線でどういった人材が事業戦略の計画の中に盛り込まれているのかを探求するところから物語を組み立てていくことを勧めている。

今日一日が良い一日となりますように、特に悲しみや困難に向き合っている方に励ましがありますように。また、良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

都内にて 竹内上人

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