目白からの便り

キャリアにおけるリスク

今朝の伊勢は青空が広がり、今日もまた暑い一日になることを疑いもなく予感させる。

4月から始まった春季課程も瞬く間に学期末を迎える。この4ケ月間、ふたつの大学で5講座を担当した。それぞれの講座でとても素晴らしい生徒に恵まれた。

プレゼンテーションや映像を使った成果発表では、私の学生時代とは異なり彼らのITを駆使した表現能力は卓越している。

自分自身の職業戦略を定める「キャリアデザイン講座」を2講座、感情能力を磨き上げる「EQ講座」、最適な企業選択のプロセスを考え、インターンシップの計画準備を行う「Internship Preparation 講座」、留学生が日本の企業文化、職場慣行と規律を学ぶ「留学生の為のキャリア実践講座」、どの講座も良心的で前向きな学生に恵まれた。なによりも私自身がそれぞれの講座で学生との交流を通じて多くを学んだ。

特に印象深いことは学生自身のパーソナルブランドの定義化で示された言葉であった。そこには、ある学生の『悩まず、ためらわずにやってみたらいい、死にはしない!』ということが記され、l can’t のn’tの前にハサミが入れられ、l can を示す写真が挿入されていた。

よくある言葉かもしれないが、私にとってはとても新鮮で背中を押される言葉であった。

年を重ねる毎に思慮深くなり過ぎ物事に躊躇するようになる。無思慮に変えることは避けたいが、今までの行動範囲を広げ、可能性を引き出す自分自身へのイノベーションは意志をもって問いかけ続けるものなのだと20歳前後の学生の言葉に勇気づけられる。

5年前、安定したサラリーマンから自ら事業を行うことのリスクに不安を覚えていた私に大学の先輩からアドバイスを頂いた。「竹内君、あのね、リスクをとっている時が、一番リスクが少ないんだよなぁ」と。すぐに意味を理解できなかったが、だんだんとわかってきた。リスクとは、現状とその状態を失ったと時の差である。リスクを取り続けるとその差が最小化する。
果たすべき仕事や役割に常に前向きな工夫と積極性を持ち続ける姿勢を大切にしたい。

今日一日が良い一日となりますように、特に悲しみや困難に向き合っている方に励ましがありますように。また、良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

伊勢にて 竹内上人

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