キャリアの作り方

卒業式を迎えて、そしてそれぞれの春 頑張れ自分

今週月曜日、2年間通った大学院の卒業式があった。式の当日は穏やかな春日和で、桜も咲きかけ、とても和やかな環境の中で式に出ることができた。本当に久しぶりに「蛍の光」を聞く。学長から直接学位をいただく機会にも恵まれ思い出に残る卒業式となった。式典後は大学院の後輩から、思いがけなく花束や記念品をいただき、照れくさい気持ちになったが、素直に嬉しさがこみ上げる。

3月も中旬に入ると、会社の事業年度の締めにあたることと、新年度のスタートのタイミングで、方針大会やキックオフといった重要な社内イベントが重なってくる。合わせて4月1日付けの組織変更が発表される。多くの企業人、官庁に働く方のすべからく、自分の行く末を深く考える時期でもある。

新しい組織図を眺め、自分の選択は正しかったのかという自問自答をする時期でもある。長年、企業の人事をやっていてつくづく感じるのは、自分のキャリアは自分の意思で描き、その責任を負う自覚を持つことが大切だということである。社内の昇進や昇格は、個人の能力や努力という因子と合わせて、事業や会社の成長ステージや、組織の中における人と人との組み合わせにより、配置が決定されていく。

組織に留まることも、離れることも、結果について他責にしてもなかなか突破口が見出せない。キャリアは自分の意志に基づき付き合っていくことが大切なのである。長い視点で考え、できる限り計画的に自分のライフアンドワークバランスの最適解を目指すべきである。突発的な感情に基づく行動は決して良い結果につながらないケースが多い。キャリアとライフスタイルの理想的なシナリオを想い続けている延長線上に、偶発的に自分にとって好都合な機会と遭遇する。これはキャリア理論でも「*計画化された偶発理論」として提唱されている。    

自分のビジネスをスタートさせるにあたって、短期的な転職支援ではなく、できる限り長期的なキャリアサポートを通じて、働く方一人ひとりの力になれればと考えてきた。また、そのつながりによるコミュニティの形成により様々な選択肢の広がりと事業創出の可能性を試みようと格闘している。年齢、性別、所属企業・組織を超えて、理想とする雇用環境整備の考え方に理解をいただける仲間を探し続ける。想い続けていれば、都合のよい偶然が身に周りに起こることを信じて。
 
*計画された偶発性理論(英語: Planned Happenstance Theory)とは、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提案したキャリア論に関する考え方です。個人のキャリアの多くの部分は、予想しない偶発的なことによって決定される。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方。

今日一日が良い一日となりますように、悲しみと困難、不安に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって豊かな一週間でありますように。

2023年3月23日  竹内上人

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