目白からの便り

多様性と国際性、そして留学生の新しいキャリアフェーズ

今朝の松本は、特段寒い冷気に包まれ、確実に冬に向かう過程の中にいることを実感させる。北アルプスの山頂にはすでに積雪があるのだが、その山々の反対側にある美ケ原や王ケ頭の山頂も今週雪で覆われた。向かい合った山々の積雪は、松本安曇野平にも雪が降る可能性を示すシグナルでもある。

先日、信州大学が主催する国際交流会のカンファレンスに出席した。懐かしくお世話になった前職の役員だった方にもお会いすることができ私にとってとてもよい機会であった。参加者の方と言葉を交わす中で気づいたことがあった。このカンファレンスには、信州大学に現在在学する留学生だけでなく、卒業生も多数参加していた。日本で就業し日本企業でキャリアを積み上げている卒業生に交じって、自ら起業し日本と祖国の両方に活動拠点を持ち事業展開に積極的に取り組んでいる卒業生が多数いた。留学生のキャリア形成の中で新しい潮流の萌芽を感じた。明らかに留学生のキャリア形成に関していえば、第二フェーズに入っているのだ。

彼らは日本の企業で一定期間のキャリアを経験し、その後、自らの会社を立ち上げ、新たに若い人材を採用する段階に至っている。おそらく彼らの職場は柔軟で自由な雰囲気に満ち溢れているであろう。
彼らにとって、「多様性」と「国際性」はその言葉を選ぶ必要がないほど普通の感覚である。ビジネス環境が、ITの一層の進化に伴い、物理的な境界線の垣根を猛烈なスピードで崩している流れの中で、極めて自由に、そしてダイナミックにそのプロセスで生じるニーズの吸収を軽やかなフットワークで取り込んでいる。既存の事業展開の中で積み上げられてきた企業統治の為の内部規律やルールにその機動力を発揮しづらくなっている日本の伝統的な組織とは真逆のところに彼らはいる。

私の会社でも新規のビジネス開発に取り組んでいるインターンシップの留学生が増えてきた。彼ら、彼女らも同じような動き方をしている。ビジネスプラン乱暴だが、視点や推進フォーメーションは、私の概念からみれば「多様性」に富み、「国際的」である。もちろん前述したように、当人たちには、その環境や概念は新しくもなく、特異なことでもない、普段の景色なのである。その感覚の違いがこれからの日本でのビジネスの突破力になるのであろう。「多様性」と「国際性」という言葉を使えば使うほど、彼らに後れを感じてしまう。

今日一日が良い一日となりますように、深い悲しみと困難、不安に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

松本の自宅にて 竹内上人

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