目白からの便り

自分自身の事業計画書 キャリアの羅針盤

大学の前期講義では、学生に自分自身をひとつの事業と見立てて、「Business I(ビジネス アイ)」 という事業計画書を策定するプログラムを取り入れている。8月の初旬の最終講義で、7~10の項目で構成される内容を生徒それぞれが立てた自身のキャリア計画として発表し前期講義が終了する。

自分のキャリアを事業に見立てて、自身のコアコンピタンス(自己の経験や強み・弱みは何か?その強化策と克服策は?)、業界や職種などのキャリアドメインと役割の選択(どこで、なにをするか?)、リーダーシップのスタイル(どのように組織で立ち居ふるまうか?)、困難な局面に向き合った時、人に良質な影響力を投げかける行動原則やパーソナルブランドについて考え、整理する。学生の段階から自身のキャリアビジョンを明確に持ち、その目標に向けての活動計画を持たれている生徒もいて、感心することが多々ある。すでに自身の取るべき道をしっかり見据えて着実に歩みだしている。

生活や仕事において、自分にとって不都合なことも多くある。晴天の時もあれば、大荒れの天気の時もある。仲間との関係で誤解も生じる。そうした環境変化に直面し、進むべき視界が悪い時も、自分自身が歩むべき目標とそれを達成するための羅針盤となる事業計画書をもっているだけで、迷いも少なく前に進むこともできるのではと願う。計画を持つことによって、当然のことながら自分にとって望ましい「計画化された偶発理論」(John D. Krumboltz 1999)の発生確率も高まる。会社経営にとっても、個人のキャリアにとってもビジョンと長期的な計画は大切なことだと学生の発表や提出物を見聞きしながら改めて感じる。

キャリアにおける羅針盤を持つことは、いくつになっても遅すぎることはない。与えられた歳に応じて、進路を明確に定め、そのための準備を繰り返し練習をし、積み重ね航海を続けることができればと願う。

残り50年の航海も、10年の航海、5年の短い航海も、それぞれのライフスタイルに応じて最も適したキャリア上の羅針盤をもつことは、日々の生活自体を確実に良質なものにする。

今日一日が良い一日となりますように、悲しみと困難、不安に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって豊かな一週間でありますように。

2022年8月19日  竹内上人

 

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