目白からの便り

お神輿と前期講義の終了

今朝の都内は久しぶりに晴天に恵まれ、強い日差しに包まれている。今まで天候が不安定な日々が続いていたので、梅雨明けの宣言が期待される。
 
今週は天神祭りというお祭りが、松本の中心部の深志神社という古い神社で行われた。社伝によると元和元年(1615年)大阪の陣の戦勝帰陣に際し、当時の松本城の城主小笠原忠真公の命により山車舞台を造らせ社前に曳き入れたのが、その祭りの始まりとされている。

私は、この深志神社を活動の起点とする神輿の会に属していて、幾度かお神輿を担いで市中を回ったことがある。残念ながら最近は都内での滞在が長くなり、その活動への参加がままならない。
お神輿は、江戸前担ぎで、掛け声「えっさ、オイサ」に合わせて神輿を揺らしながら担ぐ。神輿を担ぐ時に感じることは、小頭の威勢のよい合図で、重たい神輿を、息を合わせて持ち上げ、街角を上手に横切り、鳥居などに触れないように神輿を下げたりしながらスムーズに練り歩く組織マネジメントの優れた出来栄えである。さらに感心するのが、神輿を蔵から出し、組立て、納める作業の段取りの良さだ。この所作とリーダーシップが卓越している。

大学の前期講義も今週で終了した。講義の構成に日本企業の組織マネジメントの要素を組み込んでいる。私の講義は、横国大や東北大では留学生が中心なので、少しでも日本特徴となる組織マネジメントの要諦を触れてもらえればと考えて構成した。日本企業の特徴として組織性(役割分担)、共同性(一体的行動)、後継性(標準化・伝承)という伝統的な3つの資質があると感じている。前期の講義では、こうした側面を、日本的雇用の象徴としての三種の神器(終身雇用・年功序列・企業別組合)の功罪を通じ、グループ討議の中で議論し考えてもらえるように工夫した。人事屋として30年間を超える年月を企業の中で過ごしてきたが、留学生の議論はかなり興味深いものであった。神輿の一連の所作を見渡すとこれらの日本的経営の神髄が随所に組み込まれていて、日本的経営を学ぶ体験学習には最適なのかと感じる。

留学生には、神輿を担ぐだけでなく、蔵出し、担ぎ、蔵納め、直会までの一連の経験を体験し、日本的な組織マネジメントのエッセンス考えるプログラムができたらと夢が膨らむ。

今日一日が良い一日となりますように、深い悲しみと困難、不安に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

都内にて 竹内上人

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