目白からの便り

『二十歳の君に乾杯』、シニア世代に問われているメッセージ

今朝の都内は、体に感じる冷気は冬本番の感を訴えるが、空は快晴でとても気持ちの良い朝を迎えている。明日から、受験生はセンター試験、試験前の緊張感と向き合っている。

今週の初めの月曜日は成人の日。毎年決まって新聞の広告記事を楽しみにしている。酒造会社が出稿する広告記事である。昔は山口瞳氏、現在は伊集院静氏の寄稿による。
新聞の紙面をめくっていると、私にとっては見慣れた体裁でその「二十歳の君に乾杯」は続いていた。今年の表題は。「ヤンチャでも、困った大人でもかまわない。」であった。

『・・・(略)・・・そこで提案だ。君だけはつまらない大人になるナ。ヤンチャでも、困った大人と言われてもかまわない。君の身体の中にある夢を、情熱で、君だけの大人を獲得するんだ。その個性が活きれば、この国も、世の中をもっとまぶしくなるし、未来がひらけくるんだ。これだけは覚えていてほしい。真の大人は自分のためだけに生きない。お金がすべてと決して思わない。品性を得ることは人生最大の宝物だ・・・(略)・・・』

品性を問われたメッセージはおととしもあった。

『・・・(略)・・・自分一人が良ければいい生き方はダメなんだ。お金で手に入るものは薄っぺらなものなんだ。卑しい行為はダメだ。大切なものは品性だ。ひとつひとつ学んでいけば、いつか誰かのために生きることができる素晴らしい自分に出逢えるはずだ。・・・(略)・・・』

私は、職業柄、多くのキャリアの選択の岐路に立つ方と会う機会が多い。特に実業の世界で様々な経験を積み上げてきたシニアな年齢に差し掛かる方との対話の場面が多々ある。日常生活における経済的な役割の負担は低減してきた年代の方々である。共通して受け取るメッセージは、他者への貢献に対する責任感である。

品性を磨き上げ、次になすべきことに対峙してる方々とお会いする度に、彼らと一緒に、練達を積み重ねてきた経験、見識、力量を次世代に循環できる仕組みを構築することが、企業人事から社会での人事を目指す自分にとっての活動の励ましとなる。

今日一日が良い一日となりますように、大切な方を失い深い悲しみに向き合っている方に、経験したことのない困難に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

都内から松本に向かう車中にて 竹内上人

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