目白からの便り

今日は残りの人生の最初の日であるということ

朝夕は比較的過ごしやすくなるものの、松本でも日中は30度を超え、 本格的な夏を体感する日が続く。

先日、車を運転していて、信号待ちをしている時にふと目に入った言葉がある。松本市内にある 予備校の前に掲げられた掲示板の中に掲げられた言葉である。 予備校なので、毎日通うであろう予備校生のために向けられた 学校からのメッセージなのだと思う。『今日という日は、残りの人生の最初の日である。(Today is the first day of the rest of your life)』

その言葉が気になって帰宅して調べてみると、映画「アメリカン・ビューティー」のセリフにも引用され、1960年代のアメリカで流行した「Today is the first day of the rest of your life 」という格言で、薬物中毒患者救済機関の施設の設立者であるチャールズ・ディードリッヒの言葉とのこと。昨日までを振り返って、後悔が山積し、やり直したいことは山ほどある。もう取り返しがつかないと思うことも多くあるが、毎日が最初の日だというメッセージは、過去に引きずられすぎず、次に何をすべきか、という感情を励ましてくれる。

『オリンピック、オリンピック こう聞いただけでも私たちの心はおどります。・・・ 全ての選手が、同じ規則にしたがい、同じ条件のもとに力を競うものです。遠く離れた国の人々が、勝利を争いながら仲良く親しみ合うのです・・・』1964年の東京オリンピックの 風景を映像化したNHKの大河ドラマの「いだてん」の中に出てくる当時の小学校の教科書の場面である。 競技場の聖火台に点灯する最終ランナーは、終戦の年1945年8月6日に広島県で生まれた早稲田大学の19歳の学生であったこともドラマを通じて知る。

今日は東京2020オリンピックの開幕の日。多くの困難の中で、様々な思慮を求められた厳しい環境の中での開幕でもある。人事の実務家として感じること、想いを集中しなければならないことは、この事業を実務的に支えるさまざまな人々の労働の積み上げがあって、今日の日があるということであり、今日からその仕事を通じて注いできた努力が実際的に展開する緊張と期待の始まりの日でもあるという事実である。本当に大変なご苦労とプレッシャーの中での個々の人たちの働きに対して、心から敬意と感謝の気持ちをもつ。今日は残りの人生の最初の日であることを、積極的に受け止め、元気よく、これから向き合う一日一日を重ねていきたい。

今日一日が良い一日となりますように、悲しみと困難、不安に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって豊かな一週間でありますように。

2021年7月23日  竹内上人

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