『天才とは天の力を借りられる人』
天の力を借りられる人の条件とは、
「 誰にも負けない努力をする。 一点の曇りや邪心のない純粋な心を持って、燃えるような情熱を傾け、真摯に努力を重ねていくこと」 稲盛和夫
「 およそ人の勲功は、心と体との二つの骨折りになるものになり、その骨を折りて、やまざれば必ず天助あり」 二宮尊徳
稲盛和夫(1932–2022):
京セラ・KDDIを創業し、経営哲学「敬天愛人」を体系化した実業家・思想家。利他の心と動機善を重視し、心の在り方と経営成果の関連を示した点で、現代経営倫理研究に重要な位置を占める。
二宮尊徳(1787–1856):報徳思想を提唱した農政家・思想家。勤労・節約・分度・推譲を基礎とする実践倫理により多数の農村を再興し、思想と政策実践を結びつけた点で、日本近世社会経済史における重要な研究対象。
所感:
多くの方から評価を得ている人物の共通点は、最終的に「利他の精神」に行き着くように思われる。若い方々と話すと、利他は偽善だと一笑されることもある。しかし、それでもなお、他者に対して何が貢献できるかを考え、できる限り汗をかき続けていくと、巡り巡ってその恩恵に出会う瞬間がある。
ただ、その循環としての見返りを期待して行うのではなく、一時一時に最善を尽くし続け、努力を継続することが大切なのだろう。利他の精神とは、結果として自分に返ってくるから価値があるのではなく、自らの心を澄ませ、曇りなく生きるための“行いの姿勢”そのものに価値がある。
稲盛和夫氏が説く「一点の曇りも邪心もない純粋な心で、燃えるような情熱を傾け、真摯に努力を重ねること」、二宮尊徳が残した「骨を折りて、やまざれば必ず天助あり」という言葉は、利他の精神と深く結びついている。利他とは道徳ではなく、人が天の力を借りられる状態へと自らを整える“心の姿勢”であり、それとは真逆の利己的な誘惑や気持ちに揺れ動き、不安定な自分の心を安定化させる応援歌のようなものだと自分は感じる。
結局のところ、天の助けを得る人とは、利己を超え、利他を志し、誠実な情熱をもって努力を積み重ねる人であるように思う。そうした生き方を続けることで、道は自然と開け、周囲の協力や偶然の好機をも引き寄せる。
企業で人事を長くやっていると、概ねそうした生き方や人との接し方、物事への向き合い方を続けている方が、組織における責任ある立場に押し上げられているように感じる。
2026年9月11日
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