転職支援

自分の価値を高める転職とはなにか?〜IT業界で転職予定の方へ、IT業界事情やNGな転職動機、習得すべき資格やスキルを解説。

 

IT業界では、クラウド化やAI、RPAなどによりエンジニアのニーズは高まっています。高いスキル・専門性が求められるゆえ、高いスキルを有する人材に対しては高い給料が支払われる傾向が他の業界よりも顕著です。また、スキルへの要求性が高いゆえ、他の業界と比べると転職回数も多い傾向にあります。 しかし、いくら給料が高いからといって、自分が望む仕事環境で仕事ができなかったり、自分が目指すライフスタイル、キャリアステップの道から大きく外れるような仕事なら転職の意味はありません。 ここでは、ITエンジニアのスキルに焦点を当てて、IT業界で転職を成功させるには何か必要か、現役ITキャリアコンサルタントが解説します。 転職を考えているエンジニアの方は是非ご参考ください。

転職により武器を高めていく。いろんな武器がある方がいい。

人より秀でる部分が『複数』あることで唯一無二の存在となるのはどの業界でも言えることですが、IT業界ではとくにそれが顕著です。スキルは一つでも身につけるのは大変なもの、それを複数有する人材は採用側にとって魅力的であり、人材としての価値は大きく高まります。

転職には2種類、つまりポジティブな転職とネガティブな転職があります。自分の価値を高める転職か、そうでないかです。私たち転職エージェントは、転職希望者に自分の価値を高める転職(ポジティブな転職)をしてもらいたいと思っています。その転職を通して、転職者のキャリアアップやライフワークバランスの実現、仕事上での自己実現へつながる転職です。

そのようなポジティブな転職を実現するには、先ほどのスキルが重要となります。今どんなスキルを持っているか、今後どんなスキルを身につけたいか。この部分についてしっかりとした考えを持っている人はポジティブな転職を実現しやすいと、長年キャリアコンサルタントをしている私が感じることです。

よって、ここでは、スキルという観点で、IT業界の転職を有利に進めるための解説を行います。

IT業界の背景〜黎明期から最近の動向まで

IT(インフォメーションテクノロジー、情報技術)という言葉が使われ始めたのは2000年以降で、まだ歴史の浅い業界です。

IT業界が認知されはじめた当初は、情報を一番はじめのコンピュータに集中管理させ、そこに大きなホストと大きな端末を置きました。その後、分散処理が始まります。サーバーがいくつも置かれるようになり、個人個人が端末を持ち、処理が個人個人で完結されるようになります。「情報が手軽に共有」できるようになり、メールも使われるようになります。

時代とともにデータの通信量はみるみる大きくなり、ここ10年、とくにここ5年で飛躍的に通信量は増加します。アップル、Amazon、googleなどのクラウドでのサービス提供が始まり、一般個人に対してのユーザビリティも向上、結果的に人々の行動、趣味嗜好が蓄積され、それはいわゆるビッグデータとして、さまざまなビジネスのシーンで応用されるまでになりました。

クラウドサービスや配信サービス、データ分析、ビッグデータ利用がより多く利用されるようになれば、データが行き交う量が多くなるので、通信の帯域が足りなくなり、新しい規格が生まれました。

そうなると、これらのデータ管理・ITテクノロジーの統制のため、新たなセキュリティ技術、新しい概念に基づくITテクノロジーが相応的に進化します。

今は、その進化の中にあり、これからもセキュリティや認証に関わるIT技術はますます必要とされます。IT分野はまるで学術研究のように専門分野が細分化されていき、エンジニアの活躍できるフィールドは広く深くなりつつあります。

以上が、IT業界の黎明期から最近の動向です。

エンジニアの種類

単純にデータセンターの中でシステムが動いてるものを管理、監視する仕事はAIのような技術によって少なくなっていくかもしれません。逆に、ビッグデータの解釈や情報の意味付け、新しいシステムの設計、セキュリティ技術に関わるエンジニアの仕事は増えていくでしょう。

エンジニアの種類を大別すると、以下の4つです。

プログラムの着想、設計

こんなことがしたい、というニーズを受けて、どうすればそれが実現できるか考え、プログラムの道筋を付けたり、実現可能なアイディアを出す仕事です。高いスキルレベルが求められ、設計的な要素が強いです。建築で例えるなら、建築士が設計図を書く場面に似ています。

その設計に基づき、プログラムを実現するエンジニア

エンジニアがいて、それをどうやって実現するかプロジェクトを立てて、動かすことで実現する。実際にプログラミングをする人、プログラミングされたものをテストする人、実験を繰り返す人などがいます。また、実装されたシステムを運用する人もいます。

ネットワーク・サーバーなどいわゆるハードウェアエンジニア

システム運用のために、サーバー設計や提案、保守などを行います。サーバー性能や搭載するOSに精通している必要があります。

システムコンサルタント

顧客の経営課題をシステム化により解決へと導くコンサルタントで、システムやアプリに精通しており、基本設計などの経験、知識を有します。

ITエンジニアの転職に臨む前に

転職動機がちゃんとしていれば、2〜3回であれば転職回数は採用上大きなマイナス要素にならないですが、一番大事なのは実績やスキルです。ちゃんと特定の専門分野でキャリアを積んできた方がアピールします。

一口にエンジニアといっても、その業種やスキルは以下のように異なります。具体的なスキルの種類、レベルまで採用面接では見られますので、自身のスキルの業界での立ち位置を把握しておくことは転職において重要です。

実力を端的に証明できる資格

対応可能な言語、データベースの経験だけでなく、対応する資格を保有することも転職には有利に働きます。Cisco、Vmware、オラクル系、マイクロソフト系などのベンダー系の資格、さらに上位のプロジェクトマネジメント系(PMPなど)などは実力を端的に証明できるものです。

自分の専門分野を把握する

スキルに重きが置かれがちですが、自分の専門分野を把握しておくことも大事です。分野は以下のように分類できます。

  • アプリ開発
  • 金融系システム開発
  • 航空管制システム
  • 人事システム
  • 旅行予約システム
  • 医療系システム

など

ITスキル標準(IT skill standard、ITSS)

 ITエンジニアのスキルについては、ITSSにより各分野で求められるスキル基準が定められています。これは経済産業省が定めたものでITスキル標準(IT skill standard)と呼ばれます。ネットワーク系、通信系などITサービス38専門分野それぞれについて、7段階のスキルレベルを明確化し、必要なスキルやキャリアを示した指標です。それぞれのレベルについて、要求される業務経験や実務能力、知識が定義されており、給与水準もこのレベルに基づいて決まるケースも多いです。

ただし、ITSSはあくまで技術の基準なので、これに語学や他の職歴などのキャリアが考慮されます。

ここまでは、ITエンジニアが転職活動を行うにあたり、その心構えや業界事情を説明してきました。

ここからは、転職動機や自分の価値を高める転職について、キャリアコンサルタントの経験を交えて説明します。

自分の価値を高める転職のために大切なことはポジティブな転職動機

給与面、スキル面、人間関係など、転職理由はいろいろだと思いますが、人材の流動が多いIT業界では、何のために転職するか、どんなビジョンを持って転職するかが大事です。その部分がしっかりしていると、一貫性のあるキャリアを積めることになります。逆にこの部分が揺らいでいると、面接時に自分のキャリアについてアピールすることは厳しくなると思います。

最終的には自分の価値を高めるための転職であるべきです。業界の中で生き抜いていくための武器を得るための手段の一つが転職であり、自分の価値を高める過程(キャリアプラン)の一部として転職があるべきです。

『「なぜ転職したいのか?」と自分に問いかけたとき、ネガティブな理由しか出てこないなら、まだ転職しない方がいい』と転職希望者に伝えることがあります。労働基準を違反している会社など明らかにブラックな会社なら話は別ですが、ネガティブな理由しかでてこない現状では、実は、自分自身の責任を認めていないケースがあるからです。

今の状況を変えれる要素はないか、その職場で現状を打破してスキルなどにつなげられる可能性はないか、問います。

もし次の希望する職場で自分が想定するスキルが身につく見込みがあり、「なぜ転職したいか?」に対してポジティブな理由が自然と出てくるなら、転職した方がいいとアドバイスすることがあります。

自分自身のキャリアを構築していくのは自分自身。「今の会社では経験できないことを別の会社で経験したい。それにより、強み・武器を複数身につけることができます。だから私は転職します」

このような動機になると、転職に成功するケースが多い、と私は経験的に感じています。

失敗しやすい転職動機

『なんとなく転職したい』というケースが多いと思います。しかしこれだけだと、自分が何ができるか何がやりたいか、採用企業側へあいまいな印象を与えます。自分の初心、初動が曖昧になっていることが多く、その先の、なんのために働くか、何を目指しているのかを考える必要があるかと思います。

また、たとえば『行った会社がブラックだった、上司が嫌だから』などについても一考が必要です。確かに会社によっては劣悪な環境で働かされる場合もあり、また上司との折り合いが悪いケースもあり、それは自分のキャリアアップの大きな障壁となることもあります。しかし単に「上司が嫌だから」という転職理由をそのまま伝えるのではなく、やはりその先のキャリアビジョンに昇華させるべきです。

他にも『給料上げたい』、『なんとなく設計をしてみたい』といった転職動機は、具体的にどの程度の報酬を目標にキャリアを積むか、どんな設計をしたいか、そしてその設計に関連性のある自分の強みは何か、などを整理してみるといいでしょう。

職務経歴書はこう書かれているべき

以上のことを踏まえると、職務経歴書の書き方がとても大事です。

よく職務経歴書に自分がこれまでやってきたことを年表のように細かく書く人がいますが、それは自分の経歴を整理できてないことを逆に露呈しています。分量はともかく、採用担当者(面接者)は、無駄がなく、要点をついた、しかし簡素すぎず、候補者のスキルやビジョンが必要十分に伝わってくることをそれ(職務経歴書)に求めています。

職務経歴書は、冒頭で経歴の概要(専門分野の経験がどれくらいあるか、PRポイントなど)が2、3行で書かれていると分かりやすいです。

結婚相談所でも、その人の売りは何なのか、PRポイントが冒頭でまとまっていると分かりやすいです。だらだらとただ自己紹介の文章が続くより、3つぐらいのポイントに絞って書かれていると、「なるほど、こういう人か」と人柄が掴め、そこから細かく知りたいと思うものです。もしその人の紹介文が始めから年表みたいになっていたら、その書き方のセンスに興味をなくすでしょう。「この人と結婚したいな」と思わせる訴えるものがないとだめですが、それは採用企業も同じです。何が強みか、何をしてきたか、要点が整理された職務経歴書を見れば採用企業はもっと知りたいと思うものです。そのためにはスキルを整理する必要があります

IT業界の転職回数について

IT業界での転職回数は他の業界と比べると、比較的多いようです。30代で2〜3社、40代で3〜4社程度です。IT業界は他の業界ほどは転職回数がキャリアのマイナスの印象を与えません。ですが、上記の数よりも多くなるとマイナスの印象を与えます。たとえば1年に何度も転職した経歴があると、短期間で辞めてしまうかもしれない、と印象を与えるので、採用されにくくなります。

過去の転職の動機について

それぞれの転職のときに明確な理由がないと面接で不利になります。書類選考で落ちる可能性が高いです。

私たち転職エージェントは転職希望者のために推薦状を書きますが、それぞれの転職に明確な動機・理由がない場合、推薦状が書きにくくなるというのが、正直なところです。

なぜなら、私たちIT系キャリアコンサルタントも人事の立場として見たときの印象を想定するからです。もっと言うと、私たちは実際に大手や新進のシステム開発会社で人事・総務でマネージャーとして働いていた経歴を持つコンサルタントです。だから、現実的に人事の立場を想定することができます。

もちろんその人が持っているスキルとの兼ね合いもあるのですが、どんな職場も人間関係は大事ですので、転職動機は面接担当者は気にするところです。

逆にそれぞれの転職理由に一貫したキャリアビジョンや本人の想いに基づく転職動機や説明があると、推薦状を受け取る面接担当者も「ああしっかり働いてくれるんだな、貢献してくれるんだな」と安心できるものです。

よって、転職回数が多くても、それぞれのポジティブな転職理由があれば、問題ありません。

IT業界の給料

給料は40代で平均300万〜800万円ほどですが、幅が大きく、優秀なスキルを持つ方だと1000万以上というケースも普通です。

年齢や職歴よりもその人自身が持っているスキルそのものが評価されやすい場と言えます。

コンサルティングファームには年収1200万〜1500万のエンジニアも多くいます。そのため、優秀なエンジニアであれば大手コンサルティングファームに憧れることも多いかと思います。

しかし、単に給料を上げたいという理由だけでコンサルティングファームへ行くのはあまりおすすめできません。複数のプログラマーを統括しながらプロジェクト全体の進捗を管理する仕事はハードで、自分のキャリアとして何を目指しているかという明確なビジョン、目標がなければ長続きはしないからです。

 

以上、IT業界で転職を目指す場合、ご自身のキャリアアップを目指した転職動機が重要であること、またそのために職務経歴書を整理して書くことを解説してきました。

弊社としても、IT系キャリアコンサルタントが職務経歴書作成のサポートや面接対策など支援できることがありますので是非お気軽にご相談ください。

マッケンキャリアコンサルタンツのIT系転職支援例

弊社の転職支援先には以下があります

・大手コンサル会社

・大手Sier

・システム開発(銀行系など)

・セキュリティ大手

 

 

この記事を書いた人の経歴

福嶋幸則

1981年に中央大学法学部法律学科卒業。IT系ベンチャーの会社で人事総務全般と株式上場準備を経験。
その後、大手建設会社、大手SI系会社、大手システム開発会社において人事、総務などのマネージャーと株式の新規上場を経験。
「主にIT系エンジニア、管理部門スタッフを担当。転職希望者の方にとって最適な転職やキャリア形成のサポートをさせていただきたいと考えてしています」

 

 

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