目白からの便り

4月1日 入社式の思い出 新入社員諸君

【The Spirits of Youth】

少年であることの条件、それは純粋であること
未知なるものへの好奇心、実現に向けてのあくなき希求
私たちは開発型企業として、少年の心をビジネスの基本においています。

このフレーズは、私が大学を卒業し、企業に入ったときに最初に仕事らしい仕事をした会社案内の冒頭に掲載した文章である。

年齢を重ねていくと、好奇心のエネルギーそのものが低下する。それは、年齢を重ねても持ち続けることができるのか。

今朝の朝刊に掲載された、サントリーの伊集院静さんの企業広告の文章は、「真剣にオモロイことをやれ」だった。オモロイことには将来の光の源泉があることに共感する。

「…(略)… 何をやるにしてもすべて初めてのことだ。失敗だらけの日々になるに決まっている。でも失敗は君だけのことではない。先輩たちもみなも繰り返した。失敗と後悔はいつも仕事の隣にある。そうなんだったら、君は君のやり方をしてほしい。どんなふうに?と思うだろうがまず姿勢と心構えだ。どんな姿勢?どんな心構えか?
それは面白いと思うことをやるんだ。西の人が言うオモロイこと。ハチャメチャでもいい。オモロイことには夢がある。夢があるから苦しいことも辛いことつらいことも耐えられるのだ。オモロイことには光が当たる。光の中には未来、明日がある。そう新しい君たちの手で新しい明日を見せてくれ。オモロイことのために汗をかき、肩で息をしろ。上り坂と下り坂なら上り坂へ。追い風とむかい風なら断然、むかい風を選べ。それが生きることを、社会を知ることだ…(略)…」

私が入社した1986年の新入社員へのメッセージは、“ゆっくりゆっくり”というものだった。その当時は山口瞳さんが執筆していた。今でもその茶色く風化した新聞の切り抜きを大切にしている。そこには、長いサラーリーマン人生、ヒットも打つこともあるし、エラーもすることもあるが、お酒の一気飲みのようなことはせず、君たち、目の前の仕事に関心を持ち、落ち着いて、着実にやるものだ・・ということが書かれ、共感したことを思い出す。今でも失敗の数は限りなく、人を励ますこともできずに後悔を重ねる。あの時、こうしておけば、との自責の念に駆られる。

そうした時に、「エラーをしてもヒットも打つこともある」というフレーズは今でも心の支えになっている。大切なことは、地道な練習を怠らないことだ。そしてチームを信頼することだ。

仕事において転機を迎える方が多い時期でもある。私が転職やキャリアの支援した方も新しい挑戦に向き合っている。純粋な気持ちで、人や仕事と向き合い、「高く、広く、大きな夢」をもって、スタートしてくれればと願う。

今日一日が良い一日となりますように、悲しみと困難、不安に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって豊かな一週間でありますように。

2022年4月1日  竹内上人

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