目白からの便り

応援団とキャリアコンサルタントという役割

早朝の松本市内は、透き通るような青空と、透明な空気に包まれ、北アルプスの稜線も、その奥から除く槍ヶ岳の尖った矛先もくっきりその存在化を誇示してる。

今年の3月に国家試験であるキャリアコンサルタンツの資格試験を受験した。久しぶりに慣れない勉強で苦労したのだが無事合格した。私は2年ほど前から職業人のことを考える時に、職業競技者(Business Athlete :ビジネスアスリート)の概念を様々な場面で使うようになった。この言葉を使う場面はいくつかあり、会社の人事の方であったり、転職で会社を変わろうとしたりしている方の面談の場であったり、大学の講義や学生指導であったり、時には相談を受けている企業経営者の方であったりもする。

個人競技であれ、集団競技であれ競技である以上その結果が伴ってくる。良い結果もあれば、不本意で涙が出るほど悔しい結果もある。失意の中でなかなか再起に時間がかかる場合もあるが、極端な判断をせず、継続的な自己鍛錬を続けていれば必ずまた新しい機会に恵まれるものだと励ます。組織の中での評価は、どれだけ客観的な評価をしたとしても、人間が行うものである以上そこには主観的な要素が組み込まれる。私たちはそういう中にいて自己の尊厳を時々傷つけられたり、心地よい称賛の言葉の中にいて過剰に自分自身を肥大化してしまう幻想に取り付かれたりする。

いろいろなスポーツ競技の中に「道」を極めると言う概念がある。相撲の世界でも、「日々精進して相撲道を極めていきたい」と力士の会見の中で耳にする。順境であれ逆境であれ、結果を超越してその過程をどれだけ真摯に向き合うかという所にその人の人格形成が大きく依存していることを先人たちが伝えているのであろう

私は人事の世界に入って35年になる。ここまで長く同じ仕事を続けてきたものだと驚く。今回のキャリアコンサルタントの資格取得の機会は、今までとやるべき仕事は大きく変わらないのだが、人事屋として企業経営と働く人を応援する気づきを得られた時間であった。一緒に勉強した仲間や指導教官など、大切な出会いに感謝し、これからも大切にしていきたい。できれば応援団のように、経営を担う人にとっても、それぞれの職場で職務に邁進する人にとっても、大学で社会に出る準備をしている学生にとっても、常に職業応援のエールを送り続ける存在になりたいと願う。

今日一日が良い一日となりますように、深い悲しみと困難、不安に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

2020年5月29日  竹内上人

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