目白からの便り

就活学生のプレゼンテーション

今週は気温はともかく,冷気が皮膚を通じて浸透するような感じの寒い日が続く一週間であった。大学の講義が終わり成績表も提出した。これからの二ケ月間は少し時間的にも余裕が生じる時期である。毎年4月に向けて自分自身のキャリアについて、ビジネスのことを内省し春の到来とともに一気呵成に取り組みたいという決意が高まる。

ここ数週間、企業内研修の機会が続いた。キャリアに関するテーマや組織効率性を高める為の基盤構築としてのEQ(感情の知能指数)プログラム、次世代のリーダー育成塾。また、企業内大学校の構想をもっている会社の設立準備委員会の場など、組織における人材育成について重層的に考える。

経営や人事の方にとっては、来年度予算を策定しながら、人材育成は、「教育」という概念ももつ一方で企業の長期的成長を促す「投資」であり、どのように具現化していくべきかについてあれこれ悩み格闘している時でもあろう。

企業研修の場や会議の場を通じて再確認にしたことがあった。それは経営資産としての「ヒト関係性資本の質」の大切さである。所属する社員の一人ひとりが組織の理念やビジョンに共感するとともに、自分自身のキャリアプランと重ね合わせてともに成長していくという意識をもった共同体をどのように構築できるかである。人材育成の目的を組織や働く個人のどちらかに偏り過ぎてもいけない。その両方を満たすための取り組みの連続なのである。その重複度が高い組織が、高いモチベ―ションと誠実な職業倫理を有する個人を引き付ける。

昨日、目黒にある大学で、ゼミ発表の場に同席する機会を得た。学生のとりあげたテーマがビジョンや企業バリューの共有をどのように組織活性化や組織生産性につなげていくかについて掘り下げていた。就活をしながらの3年生は、着慣れないリクルートスーツに身を包みながら、生産性の高い組織には良質なコミュニケ―ションと相互信頼関係が基盤となる職場形成の場が必要不可欠であることを訴求する。彼らが来春に選択した働く職場の現実であってほしいという切実な願いが、パワーポイントのプレゼン資料から痛いほど伝わってくる。
人事や職場の管理監督者は、採用した彼らをどのように育てあげるかという重責が伴う。

今日一日が良い一日となりますように、困難に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

都内にて 竹内上人

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