目白からの便り

リーダーの役割

今朝の伊勢市(三重県)は、静かな雨が降り続く朝を迎えている。9月も下旬に入ると朝の日の出の時間が確実に遅くなっているのに気づく。今年の強烈な夏の暑さも、忘れてしまうような秋雨である。

はやいもので、来月の10月からは、大学の秋季の講義が始まる。後期の授業は、リーダーシップと感情能力としてのEQ(Emotional Intelligence Quotient)の講座とキャリア設計の講座を軸に構成している。特にいくつかあるEQの講座の一つにチームビルディング(Team Building)に焦点を置いた講座を考えている。人があるチームを率いる立場に立った場合どのように立ち居ふるまい、どのように良質なチームを構築するかについて深く考える機会にしたい。
他の人と一緒に仕事をすることは、仲間との共同作業を通じて感じる楽しさや支援の心強さを感じる反面、相互理解をしあうことの難しさに戸惑うことになる。

チーム(Team)をうまく構成し、運営していくためにはどのようなことが必要なのか、より実践的な視点で授業を進めたい。企業で積み重ねてきた人事屋として、日本の組織が働く人に求める基本要素を可能な限り伝達することに注力したい。特に生徒の大半が留学生だということを考えると、日本企業のリアルな職場で求められる要求事項のあれこれについて、並行して学べる場になればと願う。

組織の規模を問わず、リーダーとして意識すべき観点として留意すべき視点として、私は、「組織性」、「共同性」、「後継性」、「成長性」が大切であると考えている。
「組織性」とは、組織図を構成する機能組織との関連性の理解と相互の立場を尊重しつつも補完する姿勢を怠らない優れた立ち居振る舞いであり、「共同性」とは、同時進行的に進む仕事と人のマネジメントの血の通った最適化であり、「後継性」とは、自己の業務の見える化、標準化によってほかの人に仕事のノウハウ・コツ・ツボを愛情をもって継承していくおおらかな奉仕の心境であり。「成長性」とは、その組織に所属することによって得られるキャリアと人間性の将来へのリアリティアある成長の予感の意識的な付与である。

授業を進めながら、自分もうまくできてこなかったのだと、深い自覚と反省の連続の冷や汗をかきながらの授業になるはずだ。現在の立場でも同じように失敗と反省を繰り返す日々なのだから。

良質な組織づくりは、相手へのリスペクト(Respect 敬意)と自己へのサスペクト(Suspect疑念)がなければ成り立たないのであろう。すこぶる厄介な難問であり、修養の機会でもある。

今日一日が良い一日となりますように、特に悲しみや困難に向き合っている方に励ましがありますように。また、良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

(お知らせ)
9月より都内のオフィスを九段から表参道(〒150-0002東京都渋谷区渋谷1-1-7 セントラル渋谷246 9階)に移転しました。青山学院大学の向かい側、青山通り沿いになります。

伊勢にて 竹内上人

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