目白からの便り

人間関係を良好にするための処方箋 EQ(感情的知性・能力)

みなさま

今朝の都内は澄み渡る快晴である。ガラスに覆われたビルの側面から反射する陽の光が強い。
今夜の列車で自宅のある松本に戻り、週末は山に囲まれた空間に自身を置くことが待ち遠しい。

職場の人間関係に関わる紛争は身近な悩みでもある。上司と部下、同僚との間、取引先など、仕事を通じて様々な相互関係の中で苦労が絶えない。また、仕事場から帰宅した安息の場となる家庭の中でも同様に配偶者との間や親や子供との関係に精神を消耗してしまうこともある。

仕事を通じて様々な企業関係者やご自身のキャリアの転換を考えている方とお会いする場で人間関係に関わる相談を伺うことが多い。私の同僚からもキャリア講座を開催し、人間関係を良好にするための処方箋について、表題のEQ(Emotional Intelligence Quotient:指数)について取り上げてほしいという声を聴く。来月予定しているマッケンキャリアアカデミーの講座ではEQについてのセッションを行う。

そう考えていた折、届けられた最新号(2018年7月号)の「DIAMONDハーバードビジネスレビュー」を開くと巻頭の論文が、感情的知性(EI:Emotional Intelligence)について掲載されていた。そこには、「なぜ働いても働いても不安が尽きないのか」、「仕事で幸福をつかむには感情的知性(EI)が不可欠である」と記されている。

人間関係だけでなく仕事自体に向き合う人たちの多くに共通する疲弊感の正体はなにか、どこのその悪性ウイルスの伝染経路が潜んでいるのか、人事に携わる自分にとっても取り組まなければならない領域でもあるし、それ以上に自分自身そのものにも同様に問いかけられる深刻で反省を繰り返す課題でもある。

仕事を通じて感じる「不幸感」、職場や家庭の中で日々精神の糧をそぎ落とす居たたまれない悪性の人間関係、働き手も企業経営者もその処方箋を探し続けている。自分自身が意図せず発信する悪性のウイルスの制御力やシャワーのような連続的な病原菌の放射に耐えうる感情的・精神的な耐久力を持ちたいと願う。

身体的な堅牢性、優れた体幹力や柔軟性を有するには良質な運動と食事、休養が不可欠であり、適切なトレーニングプログラムの存在が前提である。感情の領域でも同様のことがあてはまる。感情能力の卓越性を促す適切な訓練や練習を積み重ねることによって、良好な人間関係や仕事と向き合う建設的な思考や安心感を意図的に内部に引き込む能力を身につけることができる。感情をパーソナリティー(人格や人柄)に起因する不可避的な要素だけでとらえてしまうと、治癒しない奈落に落ちる。治癒できること、健康的に活用できる可能性があると信じることが希望の出発点になる。

感情を正しく理解し、感情を効果的にマネジメントし、感情を生産的に活用する、こうした基本的な技術について考える週末にしたい。

今日一日が良い一日となりますように、特に悲しみや困難に向き合っている方に励ましがありますように。また、良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

都内にて 竹内上人

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