目白からの便り

岡山大学 グローバル・ディスカバリープログラム

今週、ご縁があった先生とのつながりで岡山大学において取り組まれているグローバル・ディスカバリープログラムという学部相当の学士課程プログラムで講義を担当した。45名ほどの履修者と午前と午後合わせて4限の講義となった。

このグローバル・ディスカバリープログラムは、世界各国から集まる留学生や帰国生徒と国内高校の出身者が英語を共通言語としながら学ぶとてもユニークなプログラムでもある。更に岡山大学の文理9学部との連携のある総合的な学びの場の演出を巧みに工夫されていた。日本人の学生にとっては国内に居ながらさながら海外で留学をしたような雰囲気の中で学生生活を送ることができることがとても貴重な経験になるのだと思う。また、留学生にとっても留学生だけの講座でなく、日本人との交流を通じて日本の社会システムや文化的背景を体験的に学ぶことができる特異なプログラムなのだと感じた。

私の講義は日本でキャリアを考える上で必要となる日本の民間企業や組織がどのような人的資源管理の仕組みを特徴としているかについて理解を深めるとともに、学生に少人数のグループを作ってもらい、一つのチームが日本で、日本人を雇用して、新しいビジネスを創出するための組織メカニズムについて、業界の選定から競争戦略の選択、その中で最適な人事管理システムをいくつかの既存の人事管理システムの中から抽出し、なぜそのような人事管理の仕組みを採用したのかということを考えていきながら日本の企業組織文化におけるエッセンスに少しでも近づいてもらおうと試みたプログラム構成とした。

講義のプログラムの中に競争戦略のような経営理論を組み込む背景は、実践的なキャリア構築能力には、キャリア理論だけでなく経営理論の習得も必須であると考えている。キャリアが経済的に「取引」されることを前提とすると、売手と買手の関係が生じる。キャリアの主体者は、瞬時にキャリアを提供する経営者の役割を求められることになることから基本的な経営理論の習得は必須なのである。

これから、日本の若い人たちがキャリアを積み重ねていく上で多様化されたコミュニケーションの中で協業的な仕事を推進していくことが基本的なキャリア基盤として求められるのだと思う。そうしたことを考えると、このようなリアルな環境で多様化されたチームで、主体的、能動的な学びの機会を積み重ねていくことはとても大切な人材育成投資になるのだと感じた。岡山に立ち寄る機会は今まであまりなかったのだがこうした縁ができたことはとても感謝である。

講義のあった水曜日は、ちょうど土用の丑の日だった。講義の後、岡山で活躍する同じ会社の仲間と岡山駅前で鰻を楽しむこともでき、とても充実した岡山の滞在であった。

今日一日が良い一日となりますように、悲しみと困難、不安に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって豊かな一週間でありますように。

(岡山大学 グローバル・ディスカバリープログラム 担当講義の記事)
https://discovery.okayama-u.ac.jp/jp/news/2024/07/6657/

2024年7月26日  竹内上人

(コラム週報のバックナンバー)
https://mcken.co.jp/category/weekly-column/

(e-learningの情報 人事やキャリアに関する講座)
https://mcken.co.jp/e-learning/

関連記事

新着コラム

  1. 神宮球場

  2. 電子書籍出版のご報告  「アンの言葉 曲がりかどの向こうには希望がある」

  3. 学習版 「縄文人の魅力と柔軟性あるキャリア」

PAGE TOP