転職して間もない方から、新しい職場での出来事を伺うことが多い。一生懸命に仕事に向きあう気持ちが強い人ほど新しい職場に自らを適合させようと格闘している。そんな新しい環境に着任した人へ送りたい人事屋の目線で感じたことについて、 入社後90日、180日、365日と時系列的に その間の過ごし方について考えてみたいと思う。 これは転職だけではなく、社内で職場を変わる人事異動でも同じだと思う。
「最初の90日間の過ごし方」
最初の90日間は、仕事を進める上での良い人間関係を構築する期間になる。そのためには、この会社や組織がどのような背景で事業成長をたどってきたかということを会社の内側の空気を敏感に感じ取りながら理解を深めていく期間である。様々なルールや職場慣行に戸惑うことが多くあるであろう。転職の人たちを受け入れる企業は新しい考え方や価値、改革を期待し、評価して採用を試みるのだが、職場の中で日々のマネジメントをしている人たちは、彼ら、彼女らなりに既存の業務プロセスを進めていくことに自信と誇りを持っている。
それぞれのやり方や職場のルールというものが、新しい人から見ると違和感を感じることもある。特に着任後3週間ほどが過ぎると少し職場の雰囲気にも慣れてくるので逆にそれが気になってくる。ここで焦ってはいけない。きっと特異、理不尽に映る職場の慣行やルールにはその会社や職場が経てきた歴史的な背景があると理解した方が良い。もしかすると微妙な職場構成員の関係の中で仕事のスタイルが出来上がっているかもしれない。冷静に客観的に現状を整理し出来る限りそのいきさつを調べあげることが大切である。
創業経営者がマネジメントする会社であれば、より丁寧にその会社の生い立ちであるとか、経営者がどのような気持ちでその会社を立ち上げ、苦労して、今日に至ったのか、経営者の目線で考えてみることが不可欠だ。 会社の歴史は、壮絶に格闘したその人の人生そのものであるからである。
次週は、180日間の過ごし方についてお伝えしたい。
今日一日が良い一日となりますように、悲しみと困難、不安に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって豊かな一週間でありますように。
2021年11月19日 竹内上人