目白からの便り

人生100年時代のそれぞれの役割

今朝の伊勢の空は広く澄み透る青空に覆われている。今日は気温も上がりそうである。また、この週末は良い天気に恵まれそうだと期待も膨らむ。

今週のいくつかの大学でのキャリアに関する講義の中で、職業従事の期間を含め長く人生を見通した視点でのキャリアについてテーマにした課題を題材にした。

政府も平成29年に「人生100年時代構想会議」を立ち上げ、人生100年時代を見据えた経済社会システムの基盤を整備する活動に取り組んでいる。生命科学的な寿命が100歳を超える割合が一般的になるかどうかは、断言することはできないが、60歳を超えても活力に満ちたシニア世代の方々が多くなってきている実感は自分自身の周囲を見回しても確信する。

良質な長い人生を生き抜いていくためには、生活面での穏やかな営みと、社会との接点につながる職業についても基本的な考え方を持つべきなのかと思う。

私はある時から、人生100年の生涯を四半世紀(25年)に分けてキャリアを考えるようになった。
25歳までは、誰かに支えられ、育て上げられる見習いの立場として、自立に向けた基礎体力・思考力・人間性を形成・磨く続ける時間。
50歳までは、一人前として、独り立ちし、自立した人間としての立場で、自己の将来構想に基づき、鍛錬と練達を繰り返しながら責任ある職務提供を通じて人格を磨き上げていく時間。
75歳までは、社会や人から与えられた経験や教訓を、次の世代の人に繋げ、自ら定めた構想の完結に向けてただひたむきにチャレンジする時間。
75歳からは、幸運にも与えられた時間として、人生を深く振り返り、これまでのプロセスの途上にあって奮闘している人をあたたかく励まし、人格的な支援や、もしそれまでの人生で経済的に恵まれたのであれば、直接的な支援を通じて良質な社会秩序や環境を保ち続けることの誠意を尽くす時間。

古の先人たちが、人生を春夏秋冬に例えて示してくれたように、大きな周期として、自分の歩む役割が人生の長い道程の中でもあるのではと思う。一概に25年という年数で固定する必要はなく、それぞれの人に課せられた立場や環境条件の中で、自らの役割を感じ取り、自分自身の歩みの道程を捉えてみればいいのだ。

こうした実現には職業を通じた循環サイクルの良質な基盤の有無が不可欠だ。人事の実務家としての私自身が誠意を尽くす領域の環境整備の課題もまだ多い。

今日一日が良い一日となりますように、困難に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

伊勢にて 竹内上人

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