目白からの便り

障がい者雇用支援の構想案

みなさま

都内はすっかり身が縮む寒い朝の気配の朝を迎えている。今週末は、長野県の松本の自宅に戻り、自動車のタイヤを冬用のものに取り換える時期だと気づく。

先日、障がい者雇用に関して、特例子会社(障害者の雇用の促進及び安定を図るため、事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社)でご尽力されている方と将来の雇用の在り方に関して、どのような取り組みをしていけばいいのかという可能性について考え方を交わす機会があった。

私自身、現在のビジネスを行うにあたって、障がい者の方に向けた雇用促進のインフラを構築したいという想いが起点にありながら、その構想の具体化に思考の中でもがき続けて3年が経っている。

障がい者の雇用と関わったのは今から25年前で、前職の人事部で障がい者雇用の担当になった時からである。様々な障がい者雇用の就労環境づくりをする中で、社会的な環境として、企業内部にある「仕事」を障がい者雇用施設に循環するためのインフラの構築とその雇用創出の為に企業が外部に仕事を循環させた貢献度を法的(障がい者法定雇用率)に換算保証する法改正の必要性を感じた。

多くの小規模障がい者雇用施設がある一方で、必ずしも潤沢で安定した条件の業務の機会に恵まれていない施設も多い。一方で、大企業を除き、単独の中堅・中小企業が障がい者雇用に直接的に取り組むことにも限界がある。仕事と雇用を結びつける仲介のインフラが必要だと。

仕事を障がい者雇用施設に循環するインフラの構想は、当時の労働省に障がい者雇用施策を企業担当者として進めたことで表彰された時に提言したレポートに書き綴ったアイデアである。くたびれかけた提言レポート書籍の中に掲載され、今も本棚にある。何度も開くので、綴りひもがほどけてしまって、ページが散在しそうな状態になっている。そして、25年たってもその言葉の実現に向けての最初の一歩も踏み出せずに今日まできている。

多くのキャリアを考える方と企業の人事の方との接点がある現在のビジネスで、お会いする方と機会があれば、この構想を話題に出す。出しながらも言葉だけで実行が伴わない焦りだけが積みあがる。転職を希望する方に、逆に私自身の相談事を持ち掛けられても困るであろう。
ただ、時には、支援の言葉を頂くことがあり、その構想の想いの糸が切れずに今日まできた。

在職中、人事の上司から、「あのね、仕事は、何をしたかということではなく、何をしようとしてきたかということが大切なんだよ」という言葉を掛けられた。今日できることを精一杯することだと自らを鼓舞する。

今日一日が良い一日となりますように、特に悲しみや困難に向き合っている方に励ましがありますように。また、良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

九段にて 竹内上人

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