キャリアの作り方

共同作業による効用

みなさま

今朝は大宮で朝を迎えた。どんよりとした雲に覆われているので、日中も重たい水蒸気の塊に抑圧されるのかと覚悟する。湿度も日を重ねるごとにその水分量を増している。私は、海の近くで生まれ育ったためか、どちらかというと夏の暑い日、耐えがたいような蒸した気候の方を好む。夏が苦手な方には申し訳ないのであるが、これからの季節は楽しみでもあり気持ちも高揚してくる。

横浜国立大学で取り組んでいるEQ(Emotional intelligence Quotient:こころの知能指数)の応用段階の講義は、私自身はじめてとなる映像を活用している。今週は、6グループに分かれて2回目の上映会であった。想像した通り、一回目の時よりも映像の品質が格段に向上している。ストーリーの構成もEQの要素を巧みに組み込み丁寧に組み立てられているのがわかる。更に随所に笑いを誘う独創的なアイデアが取り込まれている。

EQの概念理解も、自らが作業を行う時間が多くなる分、学生たち自身に内在化する。 少しずつ映像の中に取り組む要求品質を上げて実践的なEQの理解を深めていけるプログラムを開発していきたい。
こうなると、回を重ねるごとに昇華した学生たちの作品をどこかで紹介したいという欲求に駆られる。この講座のクラスは、留学生と日本人学生の人数バランスが非常によい。双方が多面的に映像制作を通じて、相互理解と相互学習が促されている。多様性を学ぶ良質な場でもある。

先日、こうした外国人留学生と日本人との組み合わせのアイデアについてとても興味深い機会を得た。東北大学の先生とお話しをしていて、斬新な良い発想で難問に向き会おうとしている試みを聞き、共感したのと同時に、人事屋の視点で、現場での応用展開のリアリティーを感じた。その試みは、日本人学生と留学生のチームでインターンシッププログラムを行おうとするプランである。

この思想の発展性は、企業の中での応用編としても現実的である。外国籍社員の立場、職場管理職の立場、人事主管部門の立場のそれぞれで、受け入れインフラが脆弱な日本企業の現実の人事システムにおいても負担の軽減と学習効果の最大化を図れると感じた。日本人と留学生の新入社員との一体化した職場配属と支援プログラム、成果蓄積インフラの整備は今の日本企業にとって現実的な策である。入社2-3年目のOJTリーダーとの組み合わせもでもよい。

留学生に適切なプロセスで日本企業、あるいは日本でオペレーションをしている外資系の企業で働きたいと感じさせるためには、留学生だけでなく企業自身の取り組み動作も強く求められる。
留学生と日本人学生が高いモチベーションで一つの映像作品を楽しみながら創り上げる現場に立ち会って、かつて抱いていた私自身の古い人事屋としての固定概念も溶解した。共同作業は、多様性の壁を容易に乗り越える有効な武器である。

今日一日が良い一日となりますように、避けられない苦難と悲しみに向き合っている方に励ましがありますように。また、良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。

大宮にて 竹内上人

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