キャリアの作り方

大政奉還から150年

早朝の都内は曇り空で、今日は天気が徐々に崩れてそうな気配や湿感である。この時間、麹町界隈を歩くと外気温も低く、コートの中に滑り込んでくる冷気を感じる。

先々週の週報で、日本における雇用現場の実情が行政機関が発行する資料などから、失業率は3.4%で良好な水準にもかかわらず、非正規雇用比率は37.5%(対全就業者)、賃金格差も正規雇用比較で、1.4倍(25~29歳)の差、2.3倍(50~54歳)の差に広がっていること。
さらに世代を超えた影響として、子供の相対的貧困率も16.3%(2012年)に増加し、ひとり親世帯の相対的貧困率は54.6%の高水準という状況となっていることに触れた。
雇用の現場における不安定化・脆弱化、働くことの不安と焦燥感、世代を超えた労働力再生産機能の劣化が踏みとどまれず深刻な状況になりつつあることに改めて気づかされる。こうした状態が長く続くと、ひとり一人の働く人の日常生活を想像するに、さすがに日本の強みである人的資源競争力の優位性にも見劣りが出てくるという危機感を感じる。
大政奉還をした年は、1867年である。2017年の現在からちょうど150年前の出来事である。まだ、それくらいの年月しか経っていないかとも感じる。幾多の困難に直面しながらも、資本主義と民主主義を希求してきた時間でもある。豊かな環境を社会構造的に得てきた半面、この期間に徐々に高まってきた労働コストと年金・医療・地域行政維持のための社会保障費の拡大スピードに、付加価値の増殖の速度が追いつかなくなってきたことも、雇用現場に厳しい現実が問われた背景でもある。
薫陶を受けてきた人事を専門とする先生と民間企業で人事の立場にある方とお会いしながら、大企業の良質な人材の過剰雇用と圧倒的多数の地方企業や中小企業における人材不足について話をした。良質な打ち手は必ずあるはずである。
社会インフラのコストを抑制することは、家計のやりくりと同様なかなか難しい、低コストで維持できる循環型社会を意識しながらも、積極的に付加価値を増やすことを考え続けなければならないのであろう。そのための労働資源の将来成長に向けた機動的な最適配置の環境整備は急務でもある。

150年という期間のスピード感に驚きながらも、その10分の1の15年で、自分自身が「古希」という年齢になることに驚く。その前に、「赤いちゃんちゃんこ」を着させられる「還暦」まであと5年、こちらも一層驚愕する。それでも、良質な一日一日を、丁寧に積み重ねていくことが大切なことかと・・・。

今日は天候も下り坂で、寒い日となりそうです。今日一日が良い一日となりますように、また、良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。特に重い病に立ち向かっている方に励みが与えられますように。

都内 麹町界隈にて 竹内上人

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