最近、雇用に関する統計や政策動向を改めて確認する機会があった。失業率自体はさほど高くない水準で推移している一方、非正規雇用比率の高さや賃金格差の固定化が、依然として日本の労働市場の大きな課題であることが浮き彫りになっている。また、子どもの相対的貧困率や、ひとり親世帯の厳しい環境は今も大きく改善したとは言い難く、世代を超えた影響の深さを痛感する。
働く人々が抱える不安定さや脆弱さ、将来への見通しの持ちにくさは、個人の生活だけでなく、社会全体の持続性に影を落とす。人的資源を最大の強みとしてきた日本において、この状況が長く続くことは、国全体の競争力にも少なからず影響を及ぼすだろうという危機感を覚える。
大政奉還が行われた 1867年 に思いを馳せる。あれから150年を超え、社会の仕組みは飛躍的に変化した。資本主義や民主主義を取り入れながら、産業構造と社会制度を築き上げてきた時間は、決して長いとは言えない。それでも、社会保障費の増大や労働コストの上昇に、付加価値の創出スピードが追いつかないという構造的な課題は、この間に着実に積み重なってきた。
先日、人事の専門家や企業の人事担当者と意見交換をする機会があった。大企業に優秀な人材が集中する一方で、地方企業や中小企業では慢性的な人材不足が続くという、二極化の構図がますます強まっている。もちろん、解決の糸口は必ずどこかにあるはずだが、そのためには社会全体で柔軟に人材の循環を促し、労働資源を最適に配置できる仕組みを整えることが不可欠だと強く感じた。社会インフラのコストを抑えることは簡単ではない。
しかし、家計の節約だけで生活を成り立たせられないのと同じように、社会全体としても「削る」だけでは限界に来ている。むしろ、持続可能な仕組みを意識しつつ、積極的に新しい付加価値を生み出し続けることが求められている。その環境整備こそ、今まさに急務である。150年という時間の流れを思うと同時に、自分自身の時間の移ろいも意識させられる。年月の早さには驚かされるばかりだ。それでも、一日ひと日を丁寧に積み重ねることが、未来に向けた最も確かな歩みなのだと思う。
今日一日が良い一日となりますように、悲しみと困難、不安に向き合っている方に希望がありますように。良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって豊かな一週間でありますように。
2026年1月16日
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